Q&A ブログ ~歯医者お悩み相談室~

2018.02.24更新

Q:Wさん 30代女性

 

さし歯にしないといけない歯があるのですが。かぶせ物の種類で悩んでいます。

見えるところなので白い方が良いんですが、保険適用のかぶせ物と保険外のかぶせ物だと値段が10倍以上違っていて迷ってしまいます。金属のかぶせ物とセラミックのかぶせ物だと、見た目以外で違いってあるのでしょうか?

 


 

A:院長 矢島

 

先日、「保険と保険じゃない物の違いって(その1)」という事で、「費用」と「見た目」についてお話をさせて頂きました。ちょっと量が多くなってしまいそうだったので、今回はその続きとして「耐久性」と「虫歯のなりにくさ」のお話をさせて下さい。

さて、その1のおさらいとしては、それぞれの被せ物の特徴として

 

メタルクラウン

メリット

・保険適用(3~4000円程度)

 

デメリット

・見た目に悪影響がある。

・虫歯になりやすい。

・金属アレルギーの原因になる。

メタルクラウン

 

セラミッククラウン

メリット

・歯と同じ色で目立たない。

・汚れがつきにくい。

・丈夫で変形がない。

(・質の良い接着材が使える)

 

デメリット

・費用が高い。

・調整が不足すると割れる可能性がある。

 

という点で、それぞれの特徴を比べさせて頂きました。

 

 

耐久性

「セラミックは割れやすい」そんなイメージをお持ちの方もいらっしゃると思いますが、現在、当院で使っているe-Maxという素材のセラミックスは、従来のセラミックスよりも強度が5倍ほど強く、ちゃんとした規格の設計で作っていれば、そうそう割れたり欠けたりするものではないと思っています。セット後、あまり時間が経っていないのに壊れてしまったケースは、噛み合わせの調整が不足していたせいで、上下の当たりが強かったり、規格の厚さに足りていない薄い部分があったりしたケースなんだと思います。

ただし、スポーツ選手などの噛み合わせの力が非常に強い方や、寝ているときの歯ぎしりがある方の場合は、この限りではありません。マウスピースの使用などといった対策をちゃんととらないと、適正な設計だったとしても割れてしまう事があります。

 

対して、「メタルクラウンは金属だから割れる事はないんじゃない?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。ですが、陶器の皿と銀の皿を想像してみてください(お寿司屋さんではありません)。例えば、これらを5年間使ったらどうなるでしょうか。しかも、毎日手荒く酷使した場合です。

 

お皿

 

陶器の皿は変形する事はないでしょうが、金属はだんだん歪んできます。20cmの金属の皿だとしたら隅が2mmくらいは曲がるかもしれませんね。傷だらけにもなるでしょう。これがメタルクラウンの場合、口の中で毎日、何十キロというかみ合わせの力を何百回~何千回もかけられているうちに、だんだんと歪んで隙間が出来てくる事になります。0.1mmくらいの傷や歪みが出来る可能性は十分にあります。「でも、0.1mmくらいでしょ~?」と思うかもしれません。確かに、目で見てわかる程の変形はないのかもしれませんが、1μm(0.001mm)の虫歯菌からすれば、0.1mmなんて大きな高速道路よりも広々として入り口になります。その隙間に悠々と入り込んだ虫歯菌は、天敵(歯ブラシ)の届かない被せ物の裏側に住み着き、歪んだ被せ物に引っかかる微細な食べ物のカスを食料にして暮らします。隠れ家としたら最高の環境です…その後は、想像つきますよね。

 

二次齲蝕 虫歯

 

セットしたメタルクラウンが数年後にふと外れてしまった時、中の歯が黒くなっていたり嫌な匂いがしたりするのを見たことがある人もいると思います。これは、微細な隙間に住み着いていた虫歯菌が、長い時間をかけてつくった物なんです。

 

 

虫歯のなりにくさ

「じゃあ、セラミッククラウンはどうなの?」というお話になるのですが、セラミックの場合、メタルクラウンよりも傷がつく可能性は非常に低くなります。しっかりと研磨をしていれば表面は非常にツルツルで、汚れもつきにくいんです。

ここで、もう一点の大事な事が「質の良い接着材が使える」という点です。通常、保険のクラウンに使う接着剤の材料は主に「グラスアイオノマー系」という接着剤が使われていて、接着力も強い上にコストパフォーマンスが良い優等生です。ただ、その弱点として「水分に溶け出してしまう」という事があります。勿論、砂糖や塩のようにサラサラと溶けてしまうわけではないのですが、年単位でお口のなかにあると、少しずつ劣化をしてしまう事は間違いありません。

対して、セラミックなどの保険外の自由診療で主に使用される接着剤は「レジン系」と言って、プラスチック系の素材が使われているものになります。これはグラスアイオノマー系と比べても接着力が強く、更に「水分に強い」という大きなメリットがあります。そのため、接着剤としても寿命が長いので、結果としてクラウンも長持ちする事になります。

 

 

 

これらの点を考えると、確かに費用としてはセラミックは高額なものになるのかもしれませんが、素材や接着剤の良さを考えると「メタルクラウンよりも長く使えるもの」という事になります。ひとつの被せ物が虫歯になりづらく寿命が長ければ、それだけ歯を守れるという事にも繋がります。以上が、保険と保険じゃない被せ物の違いになります。

 

虫歯 怖い

 

ちなみに、仮に自分が虫歯になってしまったとしてメタルかセラミックの2択を迫られるとしたら、お財布にはちょっと痛いですが迷わずセラミックを選びます。出来れば、歯の神経を取ったり、歯を抜いたり…という事は一生経験せずにいたいですからね。歯医者だって虫歯は怖いんです。

投稿者: 青山通り歯科

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